或る生活

ライフログ的なもの

ひとり暮らしの食生活と完全栄養食の話

ひとり暮らしの皆さん、毎日食事ちゃんと摂ってますか?

 

 

はしがき ― 食事がめんどくさい話

わけあって4月の下旬から6月の下旬までの2ヶ月ほど、疑似ひとり暮らしのような生活をしていた。

ヒキニートなのでやらなければいけないこともなければ、やりたいこともとくになく、ひとり暮らしになってもまあ生活は普段とそう変わらないだろう、と最初は思っていたのだが、実際には1ヶ月を過ぎたあたりから心身ともに限界になってしまった。

掃除洗濯などの家事は(多分)人並みにできるのでほとんど問題なかったのだが、食事に関しては、普段は空腹であろうがなかろうがただただ「家族が用意してくれたものを家族と同じタイミングで食べる」という生活をしていて(おかげさまで恐らく健康的な食生活を送れているのだが)、逆に言うとそれくらい食事というものにさして興味がなく、調理技術もリアルひとり暮らしをしていた学生時代や社会人1年目の頃から変わらず「お湯を沸かす」か「レンチンする」くらいのことしか身についておらず、それでも当時はまだ若くて体力も今よりはあったし外食もよくしていたので、家で食べるものはほぼカロリーメイトとお菓子、というような生活でもなんとかなっていた(と思いたい)のだが、今や食生活の乱れが即身体の不調となって現れてしまう年齢だし、ひとりでは外に出られないので外食もできず、ヒキニートのひとり暮らしは(メンタル面以外では)食生活の面で早々に詰んだ。

 

「食事」って正直ほんとうにめんどくさい。多ければ日に3回も、食べたいものを考えて、栄養バランスを考えて、献立を決定して、それを買うなり作るなりして、なんなら食材を用意するところから始めて調理までして、食べて、後片付けをして…。考えるだけで食欲が失せてしまう。こんなこと言うとバチが当たりそうではあるが、今の時代、お腹は空いても食事をするのはめんどくさい、という考えの人、私の他にも結構いるんじゃないだろうか…。

食事をする、ということができる人は、物凄く偉いと思う。

 

そうは言っても本当に何も食べないで済むわけではないので(先述の通り食生活がモロ体調に影響する年齢だし)、ここからはこの2ヶ月間の食生活の記録と、あと文末には「完全栄養食」という夢のようなアイテムへの期待についても書いておきたい。

 

疑似ひとり暮らしの食生活記録

初期:毎日出前館

この頃は、実はまだ今回の疑似ひとり暮らし生活がまさか2ヶ月にも及ぶとは思っていなかった(せいぜい数日〜1週間くらいのことだと考えていた)のと、家主から「ピザでもなんでも好きなように食え」と言われていたこともあり、ほぼ毎日出前館を通じて出前をとっていた。

日頃お腹が空くような立派な活動もとくにしないし元々少食なのもあって、各店舗の配達可能最低金額(大体2000円くらい)分の食料を届けてもらえればそれで1日賄えたので、当初は「これで全然行けるな」と軽く思っていた。

が、如何せん田舎なので配達してくれる店の選択肢が数件しかなく、わりとすぐに飽きが来てしまったのと、毎日自分の食費に2000円も掛けるのがなんだか馬鹿らしくなってきたのとで、次の手を考えることにした。

 

中期:ネットショッピングと週1のコンビニ通い

保存の利く食料(サトウのごはんやフリーズドライのお味噌汁など)をネットで買い、主菜にはコンビニのお惣菜や冷凍食品を活用していた時期。

ひきこもりが勇気を振り絞って靴を履きひとりで玄関より外に出て徒歩5分くらいのところにあるコンビニに行くのはかなり体力的にも精神的にもきつくて週1〜10日に1回くらいの頻度でしか買い出しには行けなかったものの、当日と2・3日分の食料としてお惣菜の類をいくつかと、その後数日分の食料として食パンやそれなりに日持ちのするレトルトやパウチ(?)系のおかず、そして冷凍食品をいくらか調達し、それらを1週間〜10日かけて食べ、尽きたらまたコンビニへ、というサイクルを繰り返した。

これだと約1週間の食費が4000円くらいで済んだのでだいぶ成長(?)したぞと思ったが、これもやはり通えるコンビニが1店舗しかなくだんだん味に飽きてきたのと、およそコンビニでの買い物とは思えない大量の食料をカゴいっぱいに詰めて有人レジに並ぶのが恥ずかしかったのと、それだけの量だと物理的に重くて運ぶのがしんどかったりで、食料が減るにつれ「また買い物に出なきゃいけなくなる…」というストレスがのしかかり余計に食べたくなくなってしまった。

ので、さらに次の手を考えることに。

 

後期:カロリーメイトカップ麺ばかりの食生活が心配になり、ついに「完全栄養食」に手を出す

出前やコンビニに飽き、さらには毎日毎日「今日は何を食べようか」ということを考えることすら億劫になってきたが、それでも腹は減るのでネットストアで買ったカロリーメイトブロックやカップ麺を消費して過ごしてみたものの、肌荒れや目眩、下痢など直に体調に影響が出てしまい、やはりある程度はしっかり栄養を摂らなければ、でもめんどくさい、、、と葛藤した末に、ふと「完全栄養食」の存在を思い出した。

リアルひとり暮らし時代(とくに多忙だった社畜時代)にやはり毎日の食事のことを考えるのがめんどくさくなり、SFみたいに1粒で1日ぶんの栄養が摂れる!みたいな物質が今の世の中ならもう既に開発されているのでは、と思って調べたときに出会ったのが完全栄養食だった。流石に1粒で!みたいなものはなかったが、当時既に粉を溶かして飲むタイプのものはふつうに発売されていた気がする(結局すぐに心身病んで会社辞めて実家にひきこもったので実際に買うことはなかったが…)。

今回改めて調べてみると、最近は色々なメーカーから様々な完全栄養食が出ていて、選択肢が結構あって有難かった。最終的には後述のBASE BREADを選び、1個で1/6日分の栄養素が摂れるというパンを1日4個くらい食べる生活に落ち着いた。当然1日6個食べられればよかったのだろうが、結構1個で満腹になるのでなかなか6個は厳しいと感じた。それでもカップ麺ばかりの生活よりは栄養バランスは整うと思うし、何よりパンなので「袋を開けて(お好みでレンチンして)食べる」だけ、という手軽さが限界状態の私にはとても有難かった。ゴミも最小限、汁などの処理も必要ないし、箸なんかの道具も必要ない。

 

この頃にはもういつまで続くのか解らないひとりでのひきこもり生活がかなりメンタルにきており毎日泣きながら死にたがりツイートをするだけの日々で、母にヘルプを要請して戻ってきてもらい、2ヶ月の疑似ひとり暮らしは終了した。

 

BASE BREADを選んだ理由は消去法。それくらい今は様々な種類がある完全栄養食

今回BASE BREADに辿り着くまでに知ったイマドキの完全栄養食たち。軽く調べて上澄み掬っただけなので実際はもっと色々あるのかもしれない。

 

多分一番の有名どころ、COMP

comp.jp

このところの完全栄養食ブーム(?)の先駆けなんじゃないかと勝手に思っている大御所。

粉タイプとグミタイプしか知らなかったが、豆乳のような液体タイプとアイスクリームタイプも出ていた。

 

食事としてのクオリティも高そうな日清 All-in NOODLES

store.nissin.com

こちらも一時期完全食界隈(?)でとても話題になっていた、日清の麺タイプの完全栄養食。

お湯をかけるだけという手軽さ、1週間日替わりで回せる7種類ものフレーバー、製造日から8ヶ月という長めの賞味期限、そして何より、本職(?)の食品メーカーが開発した麺ということで、味など食事としてのクオリティにも期待が持てそう。

今回完全栄養食を導入することを思いついたとき真っ先にこちらを思い出し注文しようとしたのだが、残念ながら一時的な試験販売か何かだったのか、現在は購入できなくなっていた。

ただ先月、日清食品の2021年度以降の中長期的な成長戦略発表で新規事業として完全栄養食の開発を進めるという発表をしたらしいので期待大。

 

世界中で飲まれている(らしい)イギリス発の粉タイプ Huel

jp.huel.com

世界的に有名らしくTwitter (lang:ja)の完全栄養食界隈でもわりと目にするHuel。こちらは溶かして飲む粉タイプ一択ぽい?

 

番外編:最近流行りの宅食 nosh

nosh.jp

完全栄養食について毎日調べまくっていたらInstagramの広告に現れるようになったので気になった宅食のnosh。こちらも最近利用してる人Twitterでよく見る気がする。

完全栄養食ではないが栄養バランスのとれたチンするだけの冷凍ワンプレート料理が定期的に届くらしい。

 

最終的に選んだのはBASE FOODのBASE BREAD

basefood.co.jp

noshと同じく完全栄養食について調べまくっていた時期に至るところで広告が目につくようになったので調べてみたのが出会い。

パスタとパン、という辛うじて「食事」と呼べそうなラインナップに惹かれた。最近になってクッキータイプも出たらしい。

 

BASE DREADを選んだ理由

ここが自分でもめんどくさいところなのだが私は「自分ひとりのためだけに自分で準備をしてまで食事をするのが無理」というだけで、食事自体は好きだしおいしいものを食べるのも好きだ。

他人が用意してくれた料理とか外食とか出前とかで手間が最小限で済むのであればふつうに食事したいし、他人のためならば何かしら用意して一緒に食事をするのもやぶさかではないのだが、自分で自分のために手間を掛けるとなると食事は一気にめんどくさいものになってしまう。

 

そんなわけなので、粉タイプや液体タイプなど洗い物が出てしまうタイプの完全栄養食は続かなそうで消去、グミとかアイスとかの食事っぽくないものも消去(それとおやつ系はそれだけで1日分の栄養摂ろうとすると結構大変な量を食べないといけないようなので飽くまで補助用とかって考えた方がよさそうな気がする)。

宅食は、食事らしい食事という感じで飽きなくていいんじゃないかと思ったがnoshのサイトでメニューを見たところ私の偏食・食物不耐性・アレルギーなんかを考えたときに、食べられないものが含まれていないプレートがほぼなく断念。

私が食事をめんどくさいと思ってしまう一因としてこの偏食・食物不耐性・アレルギーは確実にあると思う(選択肢が限られすぎて…)。きっとそういうのがなくて何でも食べられるよという人にとっては宅食というのはかなりいい選択肢なのではないかと思う、「ちゃんと食べてる」感があるというだけでメンタルにもよさそうな気がする(個人の感想です)。

 

で、辛うじて食事感もあり手間も最小限なのはパンタイプだな、ということでBASE BREADを選んだ。

肉や魚が苦手なのでパンを食べるだけでタンパク質まで摂れるというのがとても有難いし、何より袋を開けて食べるだけという手軽さが最高。ゴミも最小限だし洗い物も出ない。

それと、コンビニなんかで栄養バランスを考えて献立を考えると多分パンとサラダとゆで卵と…みたいな感じでいつの間にか1食1000円近くかかってしまううえに栄養バランスも自己満足程度にしか整わなそうだが、BASE BREADのみで1食済ませた場合1食分4〜500円で済みしかも必要な栄養素が全て摂れるというコスパのよさも、ひとり暮らしには有難い。

フレーバーが5種類もあって味も飽きにくそうだし、カレーなんかは最近新登場したばかりなようなんで、これからまだまだ増えていくかもという楽しみもある。

1食で1日分の1/3の栄養が摂れるというのが少食の民としてはとても手軽でいいなと思ったのだが、そのときは「1食分=パン2個」という事実を知らなかったので、できれば今後1個で1食分のパンが開発されたら嬉しいなと思う(どこまでも手間を省きたい…)。

 

私は初回から公式サイトでスタートセット(パンのみ)を購入したが、Amazon楽天でも買えるようになったみたいなので継続購入するかどうか解らない場合はそっちの方が手軽かも。

体質に合うか確認したいなどとりあえず1個だけ食べてみたいという場合は現時点では「ファミマ!!」の店舗や一部のジムなどで買えるらしいが都市部限定っぽいので、今後全国のコンビニとかでも手軽に買えるようになったら嬉しいねという感じ。

 

 

BASE FOOD公式の使い方とBASE BREADのレビュー

公式サイトもわりと使いやすい

長く続けていくつもりなら初回は公式サイトで継続コースのスタートセットを注文するのが断然お買い得だと思うが、そうするとその後4週間に1回、自動的に同じ種類・個数のパンが届くことになる。

届くパンの種類や個数、お届け予定日などは、BASE FOODのマイページにログインすれば簡単に変更できるので、継続購入という仕組みがうっすら苦手な私でも、今のところいい感じに毎回日時や個数を調整して過不足なく継続できている。

なんならそこにクッキーやパスタを追加したりパンをゼロにしたりもできるので、自由度はかなり高いと思う。

 

スタートセットの段ボール箱にはおすすめの食べ方などが載った小冊子が同梱されていたり、社長からのご挨拶状が入っていたりで、そういうのがちょっと苦手な私は若干引いてしまったりもしたが、全体的にとても発展途上な空気があるので、体制やサイトデザインなんかはこれからさらに磨かれていくのではないかという気がしている。

 

BASE BREAD、味の感想

私が購入したスタートセットにはプレーン・チョコ・メープル・カレーが2食ずつ(つまり4袋ずつ)と、おまけとしてシナモンが1袋入っていた。5種類全て食べてみての感想など。

 

プレーン

穀物パンっぽい感じ。全粒粉やチアシードなどのさくさくプチプチ食感が残っていて、生地はどっしりみっちり系。私はふわふわ系のパンよりこういったしっかり噛めるパンの方が好きなので嬉しい。食べごたえもばっちり。

プレーンとは言うものの噛めば噛むほど独特の酸味や苦味や甘さ等々がしっかり主張してくるので、一般的な食パンとかロールパンみたいな味を想像してるとひと口目はびっくりするかも。

チンするだけでもいいし、トースターで焼いてもおいしい。そのままでもしっかり味があるが、半分に割ってチーズを挟んでみたり、ツナマヨフィリングを塗って焼いてみたり、プレーンだからこそのアレンジの幅はあると思う(めんどくさくなければ…)。

あと一番お安い。継続割引き(10%)で1食351円。

 

チョコレート

今のところ一番好きかもしれない。プレーンだともう1品欲しいなと感じるところが、チョコの風味のおかげで単品で満足できる感じ。甘すぎず苦すぎずで、朝食やおやつ、夜食など対応できる場面も多い。プレーンと同じくみっちり系で噛み心地がよく、且つチョコレートフラワーペーストのおかげでしっとり感もある。チンするだけでもちもちになりおいしい。

 

メープル

しっかりメープル味。おいしいけど毎日食べるとなると私はちょっと飽きるかも。たまに食べるからこそおいしい的な。

1袋分が2本に分かれた板状(?)になっているので、チンしてもちもちの状態のものを端からみちみち噛みちぎっていくのが楽しい。

 

シナモン

しっかりスパイシーなシナモン味。同上。

 

カレー

メープルやシナモンのように生地に味がついているだけかと思いきや、一般的なカレーパンと同じように中の空洞にペースト状のカレーが入っている本格派。そのせいか他のフレーバーと比べると小ぶりで食べやすい(物理)。

スパイシーで大人向け(?)な感じのちゃんとおいしいカレーで、他が甘い系なのでしょっぱいものが食べたい日には重宝した。ただ私はそもそもカレーという食べ物があまり好きではないので、これも「たまに食べると口が変わっておいしいな」ポジ。カレーあるあるだけど食べると半日は胃からカレーの匂いが上がってくるので朝昼よりは夜に食べてた。

 

総評

完全栄養食とはいえパンなので、あたためてα化した方がもっちりふかふかになって断然おいしくなる。

実際全てのフレーバーで袋の裏面にレンチン目安時間の記載があるので、その通りにチンするひと手間だけは惜しまないことをおすすめする。袋を開けて脱酸素剤を取り出してからなら袋ごとチンできるので洗い物とかも出ないし(どうも製造時期によって脱酸素剤が袋の内側にしっかり貼り付けられているバージョンとただ袋に入っているだけのバージョンとが混在しているようで、前者だと結構な力で引きちぎらないといけないのが若干手間なのだが、順次袋に入ってるだけバージョンに移行していっているものと期待したい)。

口当たりを変えたいときはトースターであたためると、表面さっくりの食感でレンチン時とは別物のようになりこれもまたおいしい(けどやっぱりレンチンの方が気楽ではある)。

 

完全栄養食との付き合い方、その後

6月の下旬あたりで、2ヶ月続いた疑似ひとり暮らし生活も終了したのだが、BASE BREADの定期購入はまだしばらく続けてみることにした。

基本的には家族が用意してくれる食事を摂る生活に戻るが、それでも少食なせいで日常の食事だけで必要な栄養素を全て摂れている気が全くしない(とくに肉や魚をあまり食べないのでタンパク質とか必須脂肪酸とかは不足がちだと思う)ので、たとえばパン食の日に食べるパンを食パンからBASE BREAD プレーンに置き換えてみたり、おやつをBASE BREAD チョコレートに置き換えてみたりして、日常の中に完全栄養食を上手く取り入れていこうと思っている。

来月の分としてはとりあえず、プレーンとチョコレートを4食ずつ(つまり8袋ずつ)に変更した。公式情報によると1ヶ月に20食ほど、給食のようにBASE BREADを取り入れると栄養バランスが整っていきますよという話らしいのだが、ひとり暮らしが終わった今は家族がバランスを考えて用意してくれる食事もしっかりあるので、完全栄養食は補助的に活用していくつもりだ。7月に届く分が余ればさらに減らすかもしれないし、足りなければ増やすかもしれないし。他のメーカーがどうなのかは利用したことがないので解らないが、BASE FOODはそんな感じでかなり柔軟に対応してもらえるのが有難い。