或る生活

ライフログ的なもの

ことし映画館で観た映画を振り返る

 

「映画」の話

気づいたらもう何年も家から出ていなかったのだが、ここ数年、母に連れ出されて1ヶ月に数度は外出をするようになった。

そのきっかけになったのが映画で、もっと言うと「午前十時の映画祭」という企画だった。

 

asa10.eiga.com

 

簡単に説明すると、毎日朝の10時からの1回だけ映画館で往年の名作を上映するという企画で、しかもふつうの新作映画よりもちょっとお安く観れる(2019年度の第10回では一般1100円)。

あるときこの企画を知った母が私を誘ってくれたのだった。

 

「映画」というものは、別に好きでも嫌いでもなく、興味のある特定の作品が公開されれば年に数回映画館に行って観る程度のものだったが、しかし常にその程度の興味だったので、誰もがタイトルを知っているような名作や傑作と呼ばれている作品すらほとんど観たことがなかった。

漫画やアニメやドラマなどは好きで毎日のように読んだり観たりするが、しかしそのなかで名作映画のパロディなどが行われていても気づけない、元ネタが解らないという淋しさや悔しさはずっとどこかにあった。

そうした名作映画を、デジタルリマスター版で、しかも映画館のスクリーンで観ることができると聞いて、興味が湧いて行ってみることにした。

 

「午前十時の映画祭」自体は2010年からもう10年も続いている企画らしいのだが、私たちがその存在を知ったのは2018年の夏ごろで、そのときちょうど母が好きな『雨に唄えば』をやっていて、これを一緒に観に行ってみようと誘われたのが初めだった気がする。

その後、2018年度の「午前十時の映画祭 9」の上映作品は母の興味や私の体調に合わせて観たり観なかったりしたが、2019年度の「午前十時の映画祭 10」では、ほぼ全作品完走した。

 

名作といえど観ようと思えばいつでも観れるからなあというような考えがどこかにあって、そのせいでなかなか手が出ないのだが、「映画館で」「期間限定で」上映されるというきっかけと制約があることで、個人的にはとてもハードルが下がる(一度積んでしまった本やDVDや録画に一生手が出ない性格…)。

 

永く名作と呼ばれている映画は当たり前に素晴らしくて、どれも歴史に名を残しているだけの迫力や楽しさがあった。

おかげで映画というもの自体にも興味が出て、最近では金曜ロードショーなどテレビで映画が放送されているときも気になって観てみることが増えた。

そして、好きな漫画やドラマなどで「あっこれはあの映画のネタだ」と思えることが増えたのも嬉しいし、あとはCMやバラエティなどで聞こえてくる音楽に「あの映画の曲だ!」とびっくりすることも増え、音楽に「映画音楽」という一大ジャンルがあることにも改めて納得した(あと、Eテレ2355のトビーの「映画音楽の夕べ」のコーナーに知ってる曲が増えたのもちょっと嬉しい)。

 

ちなみに2019年度の「午前十時の映画祭 10」は「ファイナル」と冠されており、コストなどの関係で企画終了するとのことで淋しく思っていたのだが、なんと2021年4月から「午前十時の映画祭 11」が新たに始まるらしい(映画祭10の最後の作品『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』の上映が終わったあと、劇場がなかなか明転せず「?」と思って待っていたら、スクリーンに「予告」の文字とともに来年の映画祭11開催のお知らせが出たときは思わず拍手してしまった)!有難い。

 

ことし映画館で観た映画とその感想

そんなわけで、去年から今年にかけて「午前十時の映画祭 10」で観た映画と、あとそれ以外にも今年中に映画館で観た映画と、そのちょっとした感想の記録。

 

[午前十時の映画祭 10] 未知との遭遇 ファイナル・カット版

2時間強ずっとハラハラしていた。次の『JAWS』はぜったいにあらすじを予習してから観るぞと誓った。色んなSFの元ネタこれかー!となった。宇宙人の姿は見えないまま終わってくれた方が好みだったけど、「まじで行ってしまうの…??!」という不安や憤りがあのちょっと仲良さそうな様子で緩和されたのでよかったのかもしれない。「音」が重要になってくる作品なだけに映画館の音響で観れてよかった。

 

名探偵コナン 紺青の拳

京極さん無双〜〜。オリジナルキャラクター(CV: 河北麻友子さん)の人が髪型が私とそっくりで母と笑った。CV: 梶裕貴キャラが登場した瞬間に犯人この人かーとなるサスペンスあるある。ゼロシコにしても今作にしても、ガマンぎりぎりライン(デザインあ)的な感じでラスト15分とかにぶち込むだけぶち込んでくるからカタルシス的なものが凄くて凄い(?)。隣で観ていた母がブチ上がりシーンの連続に堪え切れなくなったらしく声を殺しながら私の腿を掴んできたのは笑ってしまった。

 

[午前十時の映画祭 10] JAWS/ジョーズ

言わずと知れた。。ついに。。という気持ちで観た。ちゃんとあらすじを予習してから観たので概ね落ち着いて観れたが、いきなり死体が浮いてくるシーンで母がビビり散らし、ウワッと声を出して手を掴んできたのにしぬほどびっくりした。ホラー系苦手なのでめちゃくちゃ怖かったが流石に時代的な粗さを感じ、ラストの攻防戦なんかは、『死霊のはらわた』で爆笑すると言う人の気持ちが少し解った気がした。有名なシーンの連続であれもこれも「知ってる…!」という感じだったが意外とサメシーン以外は「人間ドラマ」でハラハラさせてくる感じで面白かった。こっそりサメを解剖するシーンが好き。

 

[午前十時の映画祭 10] E.T.

多分初見。その後今年の金ローでも観た。『未知との遭遇』を踏まえたうえでめちゃくちゃ凄い映画だな…となった。最初は小突きあってた子たちが意外と最後には自転車で爆走して助けてくれるのがよかった(爆走はハラハラしたけど)。子供だとあんなにあっさり宇宙人の存在を受け入れられるのかなという大人の淋しさのようなものも感じつつ。鍵チャリチャリ鳴らして歩く大人の怖さが凄かったけど話の通じる人でよかった。車で逃げながらビニールの通路?を外すシーンが好き。

 

[午前十時の映画祭 10] ゴッドファーザー

あの有名な曲が使われてるの意外とこんなシーンだったんだ、という驚きがあった。アニメの『91Days』を思い出した。物騒な話はわりと好きなので面白かった。トラウマ案件のベッドの馬の頭、wikiによるとドッグフード工場から本物の馬の頭と血を貰ってきて撮影したとかでマジもんのトラウマ案件だった。俳優さんって凄い…。実は三部作らしいのでいつか2と3も観ねば。

 

[午前十時の映画祭 10] 風と共に去りぬ

映画で途中に休憩が挟まるの初体験だった(演劇とかだけかと思っていた)。4時間を感じさせないテンポのよさが凄い。1939年公開とのことで2019年時点で80周年という衝撃。これが戦前の作品なのか…USAまじでつよい…という感じだった。有名な台詞「Tomorrow is another day」は「明日に望みを託して…」のような訳になっていて、訳者さんどなただったか忘れたけどやはり映画にしろ本にしろ訳す人によって随分雰囲気が変わるなあと思った。個人的にはGS美神のパロディ回を思い出したが、wiki情報によるとメイン3人の関係性がドキンちゃんばいきんまんしょくぱんまんの下地になっているらしくて偉大な作品というのは意識していなくてもいつの間にかその片鱗に触れているものなのだなと改めて感動。メラニーさんが思ったよりたくましくてよかった。観た1ヶ月後くらいにドラマ『凪のお暇』のなかで凪ちゃんのアパートの大家さんがこの映画を観ているシーンがあって嬉しかった。

 

[午前十時の映画祭 10] 八甲田山 4Kデジタルリマスター版

死亡フラグの玉手箱。愚策に次ぐ愚策、しんどみの嵐、自然の脅威、極限状況下での魂のBL(?)。観るまでは戦地での話だと勝手に思っていたのだがまさかの訓練時の話で余計に…ほんとにただの犬死に…。キャラクターたちは勿論のことキャストさんスタッフさんのご苦労を思うと胃が痛かった。心なしか膝も痛かった(冷えで…)(観たときは夏だったのに…)(冬じゃなくてよかった…)。むしろあの壮絶な映像をどうやって撮ったのか謎すぎる、雪崩のシーンとか。推しキャラ的な話をするとしたら加山雄三さんの役が好きだったふつうに…あの映画にあって唯一の心の救いというか…。観てる間は気づかなかったけどエンドロールで下條アトムさんや金尾哲夫さんなどのお名前を見つけて驚いた。人間は極限の寒さの下ではむしろ脱ぐということを学んだ(「矛盾脱衣」というらしい)。♪雪〜の進軍 氷を踏んで〜…

 

[午前十時の映画祭 10] 日本のいちばん長い日 4Kデジタルリマスター版

こちらもまたしんどい話、覚悟はしていたものの、できれば観たくなかったけど観なければいけないという気もした。ほんの75年前に本当にあったことだというのが信じられないような気もするけどひとりひとりの思惑とかはなんともリアルで…。「戦争」とか「終戦」とか一言で片付けてしまうとひとつの歴史上の出来事で終わってしまうけど全てはひとりひとりの人間のやったことが積み重なった結果なんだなという当たり前のことを改めて思った。世の中意外とほんとにこういうこ感じで動いてるんだろうなあと思うと虚しくもなったり。現代に生きている庶民としてはとにかく「この瞬間にも無駄な犠牲が出てるんだから、なんでもいいからはやく終結させて(泣)」という気持ちでハラハラして観ていた…。 

 

[午前十時の映画祭 10] ブルース・ブラザース

さいころにテレビかビデオで家族と観た記憶があったけどあんまり記憶になくてほぼ初見に近い状態。前回までしんどい映画が続いた反動もありとても楽しかった。キャラクターが全員最高。私は詳しくは知らないけど音楽界のスーパースターたちの演奏や歌の圧巻の上手さも。ツイッギーとスティーブンスピルバーグにもびっくり。いちいち過剰に派手な演出がおかしくてたくさん笑った。教会で天啓を受けるシーンと高級レストランでエビ食べてるシーンがとくに好き。むしろあらゆるシーンが好き。母のお気に入りらしく上映期間の2週間の間に2回観て、さらに2回目を観た帰りにディレクターズカット版のDVDを買って帰ってその日のうちに観た。ディレクターズカット版だとエルウッドが接着剤を持ってた理由がはっきりするのと、ジェイクだけじゃなくエルウッドのサングラス外した顔も見れてまたよかった。

 

アラジン (吹き替え)

さいころにライオンキングのアニメを観てトラウマになりそれ以来ずっとディズニーを避けて生きてきたんだけど、母が山ちゃんのジーニーが気になるということで観た。なので私にとっては(意識的に)ディズニー作品を観たという意味では図らずもディズニーセカンドバージン的な作品となった(前年の午前十時の〜で『メリー・ポピンズ』は観たが、エンドロールまでディズニー作品とは知らなかった)。笑いあり涙あり勧善懲悪ハッピーエンドで映像も音楽も凄くて流石夢の国を作っている会社だ、、となった。ジャスミンちゃんが好き。山ちゃん×ウィルスミスのジーニーはずるい。

 

[午前十時の映画祭 10] 愛と青春の旅だち

ちょくちょく「本当にそれでいいのか?!」という感情になりつつも最後はまあ2人がそれでいいならよかったね…という気持ちで終わった(いい意味で)。軍曹さんが好きだし最後軍曹さんのあの厳しさが完全なる演技(?)と説明してくれるシーンがあったのもよかった、主人公が成長して状況を俯瞰で見れるようになったということの現れでもあるんだろうし。でもこの映画の個人的な一番の見どころは若きホレイショ(を演じているデヴィッドカルーソさん)(CSI:マイアミの)がご出演されている点…!!しかしそれは鑑賞後に知ったことで観ている間は気づけず…!!私の目は節穴か…!!!!ぜひもう1回観てホレイショを確認したい。。

 

[午前十時の映画祭 10] ニュー・シネマ・パラダイス

その昔当時付き合っていた人にうんちく囁かれながら完全版のDVDを観せられたという経験がありあまりいい印象を抱いてなかったもののふつうに1本の映画として素直に観たらふつうにめちゃくちゃいい映画だった。私そういうとこあるのよくないよなと思う。

 

[午前十時の映画祭 10] ローマの休日

オードリーヘップバーンのかわいさ。。ラストの潔さが意外だったけどまあ王女様だし仕方ないのか…ということで納得した。あの2人がおじいちゃんおばあちゃんになったときにまた何かのきっかけで再会するとかあってほしい。2人もかわいくて風景もかわいくてずっと目が幸せだったなー。

 

[午前十時の映画祭 10] 砂の器

終始「緒形拳どこに出てる…?」と思いながら観てたらまさかの三木役。私が観たことある砂の器田村正和のドラマ版で父親は精神の病という設定だったから恥ずかしながらハンセン病がテーマとは今回映画を観る直前(予習する)まで知らず、久しぶりに重い映画だった、病気と群衆の心理と個人というのはほんとに何世紀時間が流れても変わらないのかなと思った、むつかしいな、

 

[午前十時の映画祭 10] ベニスに死す

小悪魔美少年が小悪魔美少年すぎてやばかったし最初から最後まで理性を大事にしようとしては妄想ばかりして現実には何も行動を起こせないまま醜く老いてしぬ老人が「私じゃん、、、、」となりしんどかった…。「老人ほど不純なものはない」という台詞が突き刺さった、胸に刻んで生きたい…。でもどうせ私もこの先何もできなくて妄想ばっかりして現実には何も行動できないまま醜く老いてしぬに違いなくてしんどい…。あんな現実離れした美しい少年を描いておきながら(老人視点の)世界はとても現実的で醜くて…。逆に美少年視点のベニスの街が見てみたいと思った、若く美しい彼の目にはあのベニスや老人がどう映っていたのか…。只管しんどい話だったけど自分もしぬ前に一度くらいはああいう鮮烈な体験をしてみたいなとも思った。

 

[午前十時の映画祭 10] スティング

ずっとお洒落。キャラクターも映像も音楽も演出も。とても好き。奇をてらわないというかこちらが期待している通りに進んでくれるシナリオで過不足なくずっと最高って感じ。賢いイケおじは無敵。黄金伝説のあの曲(『ジ・エンターテイナー』)、こんなお洒落な映画の劇伴だったのか!という驚き。

 

JOKER

子供のころアニメバットマン青野武ジョーカーの夢女になってからというものずっと好きなジョーカーが主人公の映画ということで楽しみにしていた作品。世間的にも大流行してて嬉しかった。ホアキンジョーカー、なんというか私の理想の青野武ジョーカーを5000%美化して実写化しましたみたいな感じだったので「最強の二次創作」みたいな心持ちで観れて最高だった。青野武ジョーカーはもう半分妖怪というかこの世のものではないような存在だと(とくに幼少期の私は本気で)思っていたので今回のホアキンジョーカーの「彼も最初はふつうの人間だったんだよ」という描き方は「そういう考え方もあるのか」的受け止め方になってしまった(それが良いとか悪いとかではなく)。ツイッターで「これはジョーカー本人によるプロパガンダ映画」と言ってる人がいてめちゃくちゃ「それだ!!!!」となった。ブルース少年が遊具のポールを伝って降りてくるとかの細かい演出もよかった。それはそれとしてホアキンジョーカーかっこよすぎたので観てる間はずっと素直に「最高〜〜〜〜!!」と心のなかでうちわとペンラを振っていた。狂いかけのイケオジは至高…。

 

[午前十時の映画祭 10] レオン 完全版

予習をできないまま観てしまったんだけど途中からずっと「ジャンレノしんでくれ〜〜〜〜(きらいだからしんでほしいとかじゃなくて物語的にきれいなオチをつけるためにという意味で)」と思いながら観てたので最後マチルダの家族の仇であるDEAの極悪捜査官と心中したときは「やった〜〜〜〜〜〜!!!」となった(?)。納得のラスト。多分あれは自分が十代のころとかに観てたらレオンとマチルダの2人で生き残って一緒になってほしいとかも思ったのかもしれないが大人になった今が初見だったのでもうずっとレオンしんでくれとしか思えなかったな、十代の自分に観てみてほしい。とはいえドドドド小心者なのでレオンが追い詰められていくシーンはずっっっと耳に聞こえるくらい心臓バクバクしてたし手に汗握ってた。1ミリくらいはレオン生き残ってほしかったなという気持ちもあった。でもレオンはレオンでストレスで10円ハゲ作りながら毎日片目開けてないと眠れずそこまでして人を殺して稼いでも金はほとんど元締めに奪われという生活に終止符を打ちつつ誰かのために生ききることができたのはよかったなと思う。この先マチルダにはレオンの分までまっとうに生きてほしいなと思うけどきっとあのままだったら闇の道に進んでしまうんだろうなあという気も…この先また誰かしら大切な人との出会いがあれば未来も変わるのかもしれないけど…。あとマチルダ父がクズすぎて胸クソだったし笑った、本能に任せてセックスしてないでさっさと嫁と子供だけでも逃がすなりしてくれ、、(そこ)そしてこの映画でDEAという組織の印象が最悪になった(笑)

 

[午前十時の映画祭 10] テルマ&ルイーズ

ラストを観て「Driver's Highだ!!」となった(ドL)。テルマさんが旦那の「Hello」の声のトーンで全てを悟り電話ガチャ切りするシーンは爆笑。テルマさんがどんどんたくましくなっていくのは見てて気持ちよかったけどそのせいでどんどん取り返しのつかない方向に突き進んでいくので手放しで喜べない感。主演のおふたりもかわいいしきれいだし若き日のブラッドピットもセクシーだった。Driver's Highなオチも個人的には完璧だったしいい映画だった。ただルイーズさんのことをずっと気にかけてた刑事さんの存在が切ないのと、ルイーズさんの過去に何があったのかを思うとまあまあしんどい。

 

[午前十時の映画祭 10] サウンド・オブ・ミュージック

過去にテレビとかDVDで観たことがあったのでいつもの予習もせずに観たんだけどオチをはっきり覚えてなくてこんなとこで終わるんだっけ…?となった。記憶のなかでは単に音楽が素敵で只管ハッピーな映画だったがそんなことはなくて結構しんどかった。そしてマリアさんと子供たちが仲良くなっていく過程や子供たちのかわいさなどが尊すぎてわりと前半ずっと泣いてた気がする、こんなに泣ける映画だったっけ…。その後トラップ家の皆さんはちゃんと亡命できたのか気になる。あと未亡人の伯爵夫人が若干不憫だった、トラップさん顔がいいからってずるいよね…(?)。ご婦人が飲んでたピンクレモネードに憧れて調べてみたら「ピンクレモネードは実はアメリカ的な飲み物であって、あれはオーストリアが舞台の映画なのに製作はアメリカというのを踏まえたアメリカンジョーク」というようなことを知って笑った。3時間近い結構な長尺映画ということもこのとき初めて知る。それほど時間が気にならない、ずっと面白い。風と共に去りぬ以来の、映画の最中に休憩時間が挟まる貴重な体験再び。あとやっぱり人気が高いのかたまたまタイミングが合ってたのかは解らないが、平日の朝10時にも拘らずいつもよりお客さんが多かった気がする。撮影期間が長かったんだろうなあというのをトラップ家の子供たちがシーンによって全然身長が違うというところで感じた、真ん中の女の子とかめちゃくちゃ背伸びてなかった…?(気のせいか…?)

 

[午前十時の映画祭 10] ウエスト・サイド物語

オープニングがなんだか凄まじかった。ちょっと耳に痛いくらいの音楽と、結構な時間真っ赤な画面。これいつまで続くの…?何が始まろうとしてるの…?とちょっと思ってしまった。ロミオとジュリエットが下地になっているらしいが、なんか物凄いストーリーだったなという印象が残っている。『トゥナイト』のシーン素敵だったな。

 

[午前十時の映画祭 10] ショーシャンクの空に

改めて、映画って劇伴がかなりのウエイトを占めるんだなというようなことを感じた。アンディさんが脱獄して雨のなかガッツポーズするシーンまでの一連は本当に手に汗握ってドキドキしたし、完璧すぎる根回しとかには胸のすく思いだった。何にしても知識や知恵というのは大事だんだなあと…せっかく高卒資格とったお兄さんは残念すぎた…。私のなかでなぜか『ショーシャンクの空に』と『戦場のピアニスト』(未見)か何かがごっちゃになってるようなとこがあるのかずっとぼんやり戦争映画だと思ってたんだけど観る前に予習したらふつうに現代劇でしかも脱獄劇ということでびっくりしてしまった。レッド役のモーガンフリーマンは安定のイケオジ。午前十時の映画祭で上映される外画は字幕版なんだけどwikiで吹替えキャストを確認したら戦慄した、やばすぎる豪華メンバー、吹替えも観たすぎる。獄中でのレイプというのはCSI:マイアミでも見たけど本当にあるんだろうか、理不尽の極みという感じ、あるからこそああして描かれるのだろうか…。原作はスティーブンキングというのも驚いた、ホラーの人というイメージが強すぎて、でも調べたらスタンドバイミーとかグリーンマイルの原作もこの人らしくてマジモンの世界的大作家…と慄く。そしてショーシャンク、原作のタイトルは『刑務所のリタ・ヘイワース Rita Hayworth and Shawshank Redemption』らしくてまためちゃくちゃお洒落だなあ…。あれ以降刑務所の壁にポスター貼るの禁止になったりとかしてそうだなと思ったらちょっと笑える。アンディーが偶然角部屋だったというのは出来すぎ感あるけど別に角部屋じゃなくても壁ぶち抜いて脱走したんだろうな彼は。本当に、知識は見えない武器だ。レッドがアンディーの残した手紙のこと思い出してくれたのもめちゃくちゃ嬉しかったし、終わり方もお洒落だった、海辺で上空にどんどん引いていくカメラの画、の開放感。ドローンのない時代にああいうのはどう撮るんだろう、ヘリコプターとか?

 

カイジ ファイナルゲーム

カイジの実写映画シリーズは1も2も観ていてわりと好きだったのでその流れでファイナルゲームも。公開されるなりネットの民にはかなり酷評されてたけど…。個人的には(たしかに1や2と比べたら物足りない感じもあったけど)ふつうに面白かった、というかずっとニコニコして観てられた、安定のカイジ実写映画だった。でもやっぱり私は伊勢谷さんが一条を演じていた2が好き、あれはほんとに最高すぎた。アニメの浪川一条も好き。

 

[午前十時の映画祭 10] ダンス・ウィズ・ウルブズ

色々と思うところのある作品だった、けどもう何ってとにかくあのバッファローのシーンをどうやって撮影したのかが気になってしまって。本当に映画館で息を飲んだ。あれは撮影中に死人とかは出なかったんだろうか…。蹴る鳥の人が『チャーリーとチョコレート工場』のウンパルンパに似ていた。風になびく髪さんの顔がよかった。

 

[午前十時の映画祭 10] アラビアのロレンス 完全版

また途中休憩ありで、長尺で壮大な話だった。この時代の映画は休憩を挟むのがわりと一般的だったんだろうか。冒頭いきなり主人公の死から始まってびっくり。イケイケな時期から段々よくない方向に流れていき散々な目に遭って時代の流れに置き去りにされるまでが壮絶。あと八甲田山に続き魂のBLを感じた。服の下の拷問の跡を痛がりながらも隠すロレンスさんが見ててつらくて鮮明に記憶に残っている…。

 

[午前十時の映画祭 10] 七人の侍 4Kデジタルリマスター版

やはりこの手の、色んな個性を持った色んな分野のエキスパートがひとつの目的のために集って協力して何かを達成するという流れは最高にワクワクするし爽快で好き。だけどその過程で仲間が亡くなってしまうのはつらい…。最終的に「負け戦」なのがなんとも渋いというかなんというか、結局庶民の根性が最強なのかもねというオチの付け方はきらいじゃない。

 

[午前十時の映画祭 10] 大脱走

刑事コロンボ』(大好きなドラマ)のワイン回の犯人おじさんがいる!!!!となった(多分『大脱走』に出てるからこそのコロンボへのゲスト出演なんだろうけど)。学生時代に三谷幸喜がベタ褒めしてるのを聞き(合唱で作業の音を誤魔化すシーンがとくにいいみたいな話だった気がする)、DVDをレンタルして友人たちと鑑賞会をやったのがわりと記憶に残っていて、ラスト付近で脱走に失敗して捕まった人たちが野原で容赦なく撃ち殺されるシーンがつらいんだよなあ…と構えて観ていたけど、独房王の人が生き残ったこととか数名は脱走に成功したことなんかは忘れていたので今回観終わったときに改めて「よかった。。」と思った。内容とは関係ないけどこの日、新作映画の予告が終わって本編が始まる5秒前くらいのタイミングで学ランにでっかいリュックを背負った男子高校生がスッと入ってきてスッと席に着いてるのを目撃してしまって「え、エモ、、学校サボって往年の名作を観に、、?」となった思い出。

 

[午前十時の映画祭 10] バック・トゥ・ザ・フューチャー / PART2 / PART3

既に何度か観ている作品だったが字幕版も映画館で観るのも初めてだったので新しい発見などもあり嬉し楽し。1のカルヴァンクラインのネタとかは小さいころはなんのことか全然解らなかったし、2はFujitsuさんとかマーティンがちょこっと日本語喋ったりビフの取り巻きのうちの1人のズボンに謎に「大奥」って書いてあったりに気づけて面白かった。クリントイーストウッドの『荒野の用心棒』もいつか観てみたい。この数ヶ月後に金ローで吹き替え版が放送されてそれも観た。何回観ても隙のない面白さに感動する。

 

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 (吹き替え)

ちょうどこのころドラマ『GOTHAM』にハマって観てたりしたので思えばDC漬けの春だった。総じてエンタメが凄くて体感30分。みんなかっこよくてかっこよくて…。原題が『Birds of Prey』だからなのかハーレイちゃんたちがテレビでトゥイーティーの出てるアニメ観てて興奮した(WBアニメで育ったので…)。迷いに迷って吹き替えで観たけど結果好きな声優さんたくさん出てて最高だった。ハーレイちゃんの「私、失敗しないので」という台詞は恐らくドラマ『ドクターX』のパロディなんだろうけど原語では何て言ってるんだろうな。カサンドラちゃんがジョーカーのことを知らないと言っているのを見て思わず「第七世代だ…!!(?)」と思ってしまった。彼女がアパートの階段で両親の喧嘩やり過ごしてたシーンはちょっと『レオン』を思い出したりした。子供ってある意味とてもたくましい、落書きだらけのギプス最高だった。でもあのスリの技術とか素で下剤が効かないあたりはやはりゴッサムの申し子すぎて笑った。わざわざスプリンクラーが壊れるという設定を用意してまで水濡れアクションをやるのはやっぱり画的にかっこいいからなんだろうか、日本の特撮でもよくあるよね水濡れアクション。全体的に戦闘アクションかっこよすぎて自分もなんか格闘技やりたくなるような勢いがあった。そのわりに最後の最後ブラックマスクが爆発四散したときの皆さんの「死んだ?」「うん」みたいなあっさりしたやりとりが最高すぎた、目の前で強敵人間が爆死した直後にさらっとブリトーでも食いに行こうかってなるあの感じ(最高)。ハントレスさんのお育ちのよさが隠しきれないのも最高すぎた、これからゴッサムでハントレスとして生きていくにしてもあのままでいてほしい。今回はバットマンもジョーカーも登場しないので比較的治安のいいゴッサムシティだった気がする(感覚麻痺)。でもエンドロールが終わって真っ暗な画面だけが出ている状態でハーレイちゃんがバットマンの秘密を暴露しようとしたら音声が途中でブツ切れたのだけはバットマンの仕事だったのではないかと思った(遊び心最高)。

 

俺たちに明日はない

午前十時の〜ではないんだけど、このころ新コロの影響で映画作品の公開延期が相次いでいて過去上映作の再上映みたいなことをやっていて、この作品もタイトルだけは知っているけど観たことがなかったので観てみることに。でも前日ネットでチケット予約してたのにまさかの電車の遅延で冒頭10分くらいを見逃すという…いつかリベンジしたい作品になってしまった悔しい…。映画は面白かった、けど、あのラスト。。でもあの2人にとってはあれがある意味ハッピーエンドなのかもしれない。。しかしエンドロールや音楽すら流れないあの潔さ。その流れで、最後に出たWBのロゴもモノトーンでいつもと比べてなんとなく大人しくて笑ってしまった。wikiによるとWB側は当初B級映画のつもりだったからプロデューサーに最低賃金の代わりに利益の40%を支払うという条件を出していて、それで大ヒットしてプロデューサーはひと財産築いたという話があったらしくて面白い。実は『俺たちに明日はない』と『Bonnie and Clyde』が同じ映画であることすら初めて知ったくらいのレベルの私でもそれでもボニーとクライドのことは知っているちょう有名カップル、実在したというのが凄い。意外とシリアスなシーンとかでも劇伴が明るめのカントリーミュージック?なのが不思議だったけど、あの終わり方といい、実話が元ネタということでそこまで悲壮感とかを醸さないように敢えてしてるのだろうか。音楽はチャールズストラウスさん、『アニー』の『トゥモロー』の作曲家の方らしい。字幕だから仕方ないんだろうけど「若い女はフェイスパウダー、嫁入りした女はベーキングパウダー」みたいな小洒落台詞が単に「化粧/料理」みたいな訳になってたり、ドクペは「ジュース」と訳されてたりでちょっと惜しさが、調べたら吹き替え版(これがまた豪華キャスト…)もあるみたいなのでそっちも観てみたいな、冒頭10分見逃してるし(根に持つ)。そして『大脱走』に続き、ボニー役のフェイダナウェイさんはコロンボの犯人役の人!なんとポワロやCSIにもご出演されているらしい。しかし観てる間は全然気づかず、、そういう意味でももう1回観たい。BTTFのマイケルJフォックスさんは今作のモス役のマイケルJポラードさんに憧れてミドルネームのイニシャルをJにしたという話もあるらしく、色々繋がってるんだなあと感慨深い。

 

AKIRA (4K)

\さんをつけろよデコ助野郎〜〜!/(うちわ) こんなにも有名なアニメ映画作品だけどなんと初見。やっと、ついに、という感じ。4K上映ありがとう。なんかもうあれもこれもそれも既視感で、たいへんな作品を履修できた喜び。岩田さんと佐々木望さんのお声が若くて。。石田太郎さん(コロンボ)もいらしたりキャストも豪華で。。音楽がとても独特で大勢の人間の声がふんだんに使われてるのが怖かった。あらすじの予習はしていたもののなんか凄いものを観てしまったなという読後感で、この日は一晩じゅう考察ブログを読んでそれでやっとなんとなく腑に落ちた感じだった。天才が行き着くのって結局いつも宇宙の始まりの話なのかな、そして宇宙の始まりを人間が描こうとすると「ミクロ⇄マクロ」や「始まり⇄終わり」とかっていう循環に持ってくしかないのかなという、原作読んだらまた違うことが描かれているのかもしれんが。アニメーションがとにかく凄いという事前情報を得たうえで観てしまったのでそこはふむ、という感じだったんだけどでも80年代に手描きであれをやっていると考えるとたしかにめちゃくちゃ大変なことなんだろうなと思った、でもたまに(モブの眉毛とかだった気がする)セルの塗り忘れとかを見つけてノスタルジー。劇伴も怖かったし、思ったより暴力描写がリアルでPG12が納得だった、超能力パートよりもバイクで腕轢いちゃうのとかが衝撃だった、あれをアニメーションでやろうってのが凄い、リアルを超えたリアリティ…。スタッフロールやら冒頭の状況説明文やらが頑なに英語オンリーだったのはあれは当時から全世界公開予定だったからとかいうことなのかこだわりなのか。地下施設に降りてく線路を走る三角形?台形?っぽい箱の乗り物とか、胎児に還るのとか、腕が消えて別の何かで補うのとか、パイプが千切れてうねるやつとか、球体の装甲(?)が徐々に剥かれてくやつとか、とか、とか、なんかもうほんとに色々「これ○○で見たやつ!」の連続で、古典文学を読んだかのような気持ち、教養としてのAKIRA。意識的にパロったりということも勿論あるだろうしこれだけ大きな作品となると本人も知らず知らずのうちに影響受けてるパターンもあるのかもしれないし(母語習得みたいな)、もしかしたら天才には一様に同じものが見えているということなのかもしれないし、表現が被るのって興味深い。でも冷静になればなるほど鉄雄(とナンバーズの子たち)がかわいそうだなと思ってしまう軟弱な現代人…。望んでもいないのに超能力を手に入れてしまってあんなことに…。未来の東京の話なのに昭和感が凄いと感じたのは描かれている日本人の熱量が凄かったからだろうなと思った、同じ状況になったとしてもリアル2020の日本人があんな風になるところが想像できない。学生運動とかの話もいま聞くと日本の話というのが信じられないもんな…。あと未来を描いたSF作品として作者の発想が天才なのは間違いないけどBTTFにしてもスマホとかインターネットのことが予見されてないのが意外というか、天才の想像を超えていくリアル人類…。一瞬、春木屋の店長か誰かがスマホっぽいものを手に持ってるときがあって「まさか!???!」となったけど流石にリモコンだった。インターネットの発明ってほんとに凄い(改めて)。

 

エデンの東

どうしても『東のエデン』とごっちゃになってしまうオタク…。淡々としんどい映画だった。お兄さんはあれでよかったのだろうか。wikiによると吹き替えが安定の大好きメンバー(野沢那智とか富山敬とか石田太郎とか青野武とか)(敬称略)だったので吹き替え版も観たいな。

 

ドクター・ドリトル (吹き替え)

藤原啓治さんの遺作ということでどうしても吹き替えで観たくて。他のキャストも豪華で楽しかった。本編も文句なしのエンタメというか真っ当な児童文学実写化作品という感じでよかった。啓治さんのこともあったし、それとああいう物語に触れるとやっぱりどうしても「世界はこんなに素晴らしいのに私ときたら…」という感情になってしまい泣いた。やっぱり啓治さんの「〜〜だろう、少年?」系の台詞は最高だなあと、飄々としていながら信頼のおける大人感。

 

風の谷のナウシカ

ナウシカは多分漫画を読んだきりで映画は初見だった(と思うけどもしかしたら金ローとかで観たことあるのかも知れない…)。この少し前にアニメから『映像研には手を出すな!』にハマったのもあり、ナウシカ(というか宮崎駿の表現)が映像研に影響を与えたんだろうなあというエッセンスを端々に感じた(ちなみになんとこの日は偶然大童先生も映画館でナウシカを観てらしたらしい)。あとハンターハンターみなんかも感じた。30年以上前の映画だというから当時子供だった人でこれを観て影響を受けたり、色んな性癖に目覚めてしまった人が結構いたんだろうなと思った、欠損とか触手とか虫姦とかてんこ盛りすぎて罪深さ…。いうても「かあさま!」のあたりからラストまで一生泣きながら観てたけど冷静に振り返るとそんなことも思う。ナウシカと子王蟲を中心にパーーっと赤い海が青い光に変わってくとこからはさらにもう一段階涙腺崩壊してラストまでずっと号泣、原作を読んだときも泣いた記憶があるけど細かい話自体はあんまり覚えてなかったので新鮮な気持ちで改めて泣いた。観終わって母と2人して「ハヤオ〜〜〜〜(泣)」となった、ハヤオはやはり天才鬼才だと再認識したしやはり自然への畏怖とか反戦とかが永遠のテーマなのだろうなという感じでジブリの全ての作品に通じる要素を感じた。しかしなんでいつも「女の子」が主人公なんだろうな。あと無論時代というのもあるだろうけどスタッフキャストが鬼の豪華さで凄かった。途中モブ兵が若き大塚芳忠さん無双で物語に集中するのが大変だったときもあった(好きなので…)。映像も音も劇伴も台詞も何もかも凄かったし、とくに個人的にジブリ作品はやっぱり音(SE)のリアルさが凄いのが昔から好きで(風の音とか)、そのへんも映像研の百目鬼氏を思い出したりした、そして風車とか反重力の壺型の乗り物なんかには浅草氏を。最後の展開でナウシカが一度しぬ必要があったのだろうかとは思うけど1本の映画として成立させようと思ったらああするしかなかったんだろうかなとも。あと衝撃だったのが、「♪風の谷の〜ナウ〜シカ〜」の歌は映画の主題歌とか挿入歌とかじゃなかったのか…!!ということ。そしてまああとはしつこいようだけどほんとうにキャストの面子がもう、お歴々がほんとにもう、凄かったな…。既に亡くなられているレジェンドたちのお声にもグワーーーーとなったしこの作品から今に至るまでほぼ全員ずっと第一線で活躍してらっしゃる事実が凄いなと、レジェンズ。。

 

千と千尋の神隠し

2001年の公開当時に映画館で観て以来だったので(多分)(金ローとかでも観てるかも)やや記憶が曖昧で、ラスト、新居の近くに川があるのを見つけて千尋ちゃんが何かを察するみたいなオチがあった気がしていたんだけど捏造記憶だろうか…。湯婆婆の「名前の文字を奪うことで相手のアイデンティティを喪失させる」というやり方が凄く恐ろしく且つ上手いやり方だなあと感心&恐怖したものだけど、歴史上ではかつて薩摩藩奄美支配下に置いたときに住民たちの苗字の字を一部奪っていた時期があるというのを知り、これが元ネタなのか偶然なのかが気になった。安定してハク様と釜爺とリンさんが好き。湯婆婆が双子っていうのは何回観てもちょっと「えっ」てなる。

 

TENET (字幕)

難解な話だとは聞いていたのでできれば吹き替えで観たかったが最寄りの映画館ではやってなくて字幕で。「兵器のピースを集めるおっさん」にはワンピースみを感じ、「地図から消された核汚染の町」にはゲトバみやらハンターハンターみを感じ、「未来から仲間が助けにくる」、「未来の息子と現在の母親が出会う」という点にはドラゴンボールみを感じ、「同じ空間に別次元の同一人物(?)が存在する」という点にはアドベンチャータイムみを感じ(プリズモの空間のやつ)、全体的に厨二心くすぐられる感じでよかった。チーズおろし器と日焼け止めの新しい使い道を発見できたのも面白かった(チーズおろし器は敵の顔面を削る凶器になるし日焼け止めは船のデッキの上から死体を海に滑り落とすときの潤滑剤に使える)(物騒)(最高)。気持ちのいい伏線回収がたくさんあったけど私が一番好きだったのは奥さんが息子を連れて船を去ったときに目撃した「愛人」の正体が実は別時間軸から来た自分自身だったというやつ、「船から海に飛び込む姿に自由さを感じた」みたいな台詞が具体的すぎるのがわりと謎だったんだけど、タネ明かしのシーンで成る程これか〜〜となった。最後にあの奥さんの息子(の将来)=ニールくん=五円玉っぽいキーホルダーの人、というのが解ると奥さんが逆行銃弾で怪我してたときにあなたは誰?って訊かれてもニールが答えずにはぐらかしたのも納得だし、順行世界の飛行機衝突の現場に沢山の救急車?が急行してくシーンで1台だけ逆走してる救急車いるけどなんなんだろうと思ってたら後々逆光世界から来た彼らだってことが判明したり、ほんと「あ〜〜〜あのときのあれがああなってこうか!!」みたいなのが多くて楽しかった。ほんとに上手くできた話で、何回か観たらもっと色々気づくことがありそう。映像としても、逆行カーとのカーチェイスのシーンとか、戦闘シーンで逆行爆破に巻き込まれて修復していくビルやそれに吸い込まれていく隊員さんとか、画的にも不思議なことが色々起きてて面白かった。しかし祖父殺しのパラドックスに言及してたわりに過去次元で母親の命を守ってくれた人をその母親の子が未来から救いに来るのってありなんだろうか?と思ったけどいずれにしても子は生まれてるからいいのか…?それと本編とは関係ないけど予告でワンダーウーマンが観れてちょっと泣いてしまった、最近DCスーパーヒーローガールズのアニメにハマっていて、あのJKのダイアナちゃんがこんな立派なヒーローに…(泣)

 

魔女がいっぱい (字幕)

とてもお洒落でかわいくて面白くてよかったんだけど、上階のバルコニーからぶら下がってる筈の毛糸が消えてたシーンはそのうち修正が入るのかなとかいうことを一番に思ってしまう細かいことが気になりマン。もう何年も児童文学や絵本に触れていないからあの手の"子供向けの"グロテスクさとか残酷さとか不条理さなんかが懐かしくて新鮮だった、言うなれば『みいつけた!』のおててえほんなんかでよく見るシュールさというか。やっぱり子供の想像力とか発想力は最高だ〜となるし、それを抑えつけずに守ってくれる大人の良さ。最後まさかねずみの老兵が出てくると思わなかったし、人間の子供たちしっかり教育されてて笑った。ただ支配人さんだけは只管かわいそうだった(笑)アンハサウェイさんの大きなお口がとても好きだ〜。

 

ワンダーウーマン 1984 (字幕)

Dolby Atmosが字幕版のみだったので字幕で。DCSHGのニューエピで(ある意味)大活躍だったアンティオペおばさんも登場するし幼いダイアナもかわいいし、ショッピングモールのシーンはとにかくダイアナ嬢がかっこよすぎて泣いた、というかダイアナ嬢が無双する度にかっこよすぎて泣いてたので、わりとずっと泣いてた気がする。ワンダーウーマンの武器、縄もいいけどティアラが好きだな。1本の映画としてはちょっとウーンというところもあるかもしれないけどワンダーウーマンの映画としては最高最高&最高だった。ガルガドットさん只管かわいくてかっこよくて…決別のときの潔さとかも泣かせたなあ…スティーブもほんといいやつ…。本筋の敵(?)と絡めてチーター出してくれたのも嬉しかった、また新しい解釈のチーターが誕生したなーという感じで面白かった。イケてなくて影が薄くて友達もいなくてヒールの靴も履きこなせないでいるバーバラの前にめちゃくちゃかっこいいダイアナがチーター柄(?)のピンヒールでスアッッと登場したときはグワーーーーーーと血圧が上がってしまった、魂の百合がここに。。あと今作『WW84』という表記を強調してくるの何なんだろうと思ってたけど「Wonder Woman」と「World War」のダブルミーニングだったのかと観終えて気づいて成る程お洒落だな〜となった。エンドロール中に心憎い演出もあったんだけどドラマ版をまだ観たことがないので然程感激できず…勿体無いことをしてしまった…。ちょっとクリスマス映画の要素もあり12月に観れてよかったな。あと、布団とめちゃくちゃ今のまんまのスクランブル交差点は笑った。何はともあれワンダーウーマンが守ってくれるこの地球(ほし)に生まれてよかった。

 

反省

1年ちょっとぶんの感想を一箇所にまとめたら思ったより大変な時間が掛かってしまったし文量も予想よりかなり多くなってしまって、ほんとなら映画館以外(テレビや配信)で観た映画の感想も残しておきたかったけどそこまでやれなかった。来年も映画のことを書くなら1ヶ月ごととか2・3作品毎とかに区切ってもうちょっとこまめにやろう。基本的に観終えたままの勢いでツイッター(フォロワーのいない鍵アカウント)にバーーっと思ったこと投げて満足してしまう…。