或る生活

ライフログ的なもの

Chromebook C300Mとの別れに際して

2015年11月ごろに購入したASUS Chromebook C300Mが、2019年9月を以て自動更新の有効期限が切れ、お役御免となった。

いい機会なので、Chromebookとの思い出を振りかえってみる。

 

 

出会い〜購入

Chromebookが気になりだしたのが2015年11月ごろ。

その存在を知ったきっかけは、当時ちょこっと教育現場に近いようなところにいて、学校へのICT導入云々の話題の一環として「Chromebook」という単語を聞いたことだったと思う。そのときは「パソコン=WindowsMac」くらいの感じで生きていた私にはとくに縁もない話だろうなと、ふーんと思って聞き流した気がする。

ただ、ちょうどその頃、長らく使い続けていた自宅用のWindowsノートパソコンがそのうちサポート対象外になるというので、それに代わる新しいノートパソコンを探そうかなあと思っていたようなところはあった。

とはいえ当時は(というか今も)パソコンの使途といえば動画かツイッターかネットショッピングかネサフくらいのもので、すっかりスマホにお株を奪われパソコンの使用頻度はかなり減っていたので、「急いで新しいWindows買わなきゃ!」みたいな、焦っている感じではなくて、むしろ「パソコンって安い買い物じゃないし、スマホと比べて起動に時間かかるし、OSアプデめんどくさいし、大して使わないわりにウイルス対策とかで地味に維持費もかかる、なんならこれを機会に脱パソコンしてしまっても別にいいかな」くらいの感じだった。

ただ、ちょっと調べてみると、Chromebook

  • 起動が爆速
  • ウイルス対策ソフトを買い足さなくていい
  • Chrome(ブラウザ)がサクサク動く
  • 本体が安い

というちょっと変わったパソコンらしく、それならちょっと興味も湧くな、ということで、当初はまったく自分には縁のないものと思っていたChromebookが急にノートパソコン買い替え候補に躍り出たのだった。

(しかしいま思うと爆速といわれるChromebookの起動速度も最新のMacWindowsなんかとそう大差ないような気もする。単に私のWindowsノートが古すぎただけじゃないかという)

 

で、パソコンは今やすっかりスマホにお株を奪われたとはいえ、実はスマホにはスマホの、使っているとちょっと不便だなと思う部分があり、それが

というところ。

ちょっとネサフするくらいなら全然手軽でいいのだが、たとえば動画を観るときなんかは画面の小ささが気になるし、動画観ながらツイッターで実況しようとか思うとブラインドタッチできる日本語物理キーボードが欲しいし、ネットショッピングのときはブラウザのタブをたくさん開いて色んなショップや商品を見比べたりしたいし、それと、まだまだ「スマホから見るとデザインが崩れたり挙動がおかしいサイト」は案外いっぱいあるので、そういうときはパソコンで、フルブラウザでちゃんと見たいなとなる。

 

そんなわけで私にとっての理想の自宅用端末は、一言でいえば「日本語の物理キーボードとフルブラウザが使えて画面が大きいスマホ(並みに取り回しが簡単なもの)(そしてできることならお安いもの)」。

タブレット端末という選択肢も考えなくはなかったが、キーボードとフルブラウザという点で後々不満が出てきそうだなと思いとりあえず却下。

自分の好みを考えて欲しい端末の条件を挙げると、

  • サイズは12〜15インチくらい
    家用のパソコンを外に持ち出すのは(微潔癖的に)ありえないのでどちらかというと持ち運びやすさよりも画面の大きさをとりたい
  • 日本語の物理キーボードあり
    スマホとの住み分けという意味である程度しっかりした物理キーボードが欲しいし、私はかな入力しかできないので日本語のキーボードが必須
  • フルブラウザ(できればChrome)が使える
    スマホとの住み分け以下略
  • 使いたいときに起動時間を待たずに使える
    ここで遅れをとるとまたパソコン自体を使わなくなってしまいそうなので
  • ウイルス対策やOSアップデートが楽
    Windows時代はこれが結構しんどかった
  • ラップトップ型で電池持ちがよい
    スマホみたいに家のどこでも、無線の状態である程度長時間使えてほしい
  • トラックパッドが使いやすい
    マウスを使いたくないのでトラックパッドの使いやすさは重要

そんな感じで色々とネットの海を探しまわった結果、これChromebook一択なのでは?となったのであった。

あと、ちょっと新しいもの好きなところがあるので周りに誰も使っている人がいないOSへの興味もあったと思う。

 

そして11月下旬、ちょうどタイミングよく(?)親知らずの抜歯手術を耐えぬいた自分へのご褒美として、AmazonASUSChromebook C300Mのホワイトを購入。当時既に値下がりしていて価格は3万円弱。

数あるChromebookのなかからこの機種を選んだ理由は、そのころ職場で使っていたWindowsのノートパソコンがたまたまASUSのもので、トラックパッドの感触?操作性?ぬるぬる感?が好きだったのと、13インチという程よい大きさ、そして一番は、シルバーや黒といった如何にも事務用品みたいな外観のものが多いなか、真っ白いPCは見た目がかわいいなと思ったから。

当時同じ機種でカラーがブラックのものがASUSの公式アウトレットで1万8000円とかで出ていたのでそちらと少し迷ったが、Amazonの3万円が既にかなりの値下がりだったし、長く使う(予定な)のだから見た目の好みを優先しようと思い、ホワイトを選んだ。スペックとかそういうことは正直よく解らないので、とりあえず見た目で選びましたという話(そういう意味では2019年10月現在は選択肢が少ないなと思う)。

ちなみに当時の私はChromebook端末に自動更新の有効期限があることをまだ知らなかったのでその辺についてはまったく考慮していませんでした(いま思えば危ない買い方だった…)。

 

使いはじめ

実際にC300Mが届いてからは、先ずセットアップ的なことをほぼ何もしなくていいのが楽でよかった。

言語選択して、Wi-Fi接続して、いつも使っているGoogleアカウントでログインして、くらいのことで完了。ここはスマホに近い感覚だった。

で、早速Chromeのアイコンをクリックすれば、使い慣れた(設定やらブックマークやらそのままの)ブラウザが開くので、もういつもどおりの作業ができる。もしかして最近のPCのセットアップってみんなこのくらい簡単になっているんだろうか。クラウド社会の便利さ。

初めて触れるChromebookは概ね評判通りで、起動も、スリープからの復帰も、終了も、スマホに慣れてしまっている身としては「一瞬待つな」という気はするけれども決して「待たされている」と感じるほどの時間ではないし、何よりスマホでは画面が小さくて観づらかった動画が観やすい、入力しづらかった文字が物理キーボードでいくらでも打てる、というので、これは理想すぎる端末を手に入れてしまったぞという気持ちだった。

 

動画視聴チャレンジ失敗期 (2015年12月〜2017年11月ごろ)

そうはいっても日常のインターネット利用の大部分はやはりスマホで済んでしまっていて、12月あたりにようやく本格的にChromebookを使ってみるかとなった。

先ずニコ動やGYAOで動画を観ようとしたら、再生が始まったかと思うとすぐに「プラグイン(Shockwave Flash)は応答していません」というようなエラーが出てまともに観れず、いきなり壁にぶち当たった。いま思えばGoogleさんがFlashへのサポートを廃止する方向が決まり、その対応が為されていた関係だったのかな…。

とはいえ、せっかく大きめの画面で動画を観たくて13インチを買ったのにこれは悔しい…と思い、方々ググって解決策を探してみるものの(ネサフのしやすさは流石)、当時はChromebookでニコ動やGYAOを観ようとする人がいなかったのか情報はほぼ皆無、それっぽい記事を見つけてプラグインの設定をいじってみたりブラウザ偽装(?)をしてみたりして一時的には動かせてもまたすぐ止まってしまい、結局解決には至らなかった。

ただ、ChromebookのOSは(当時も今も)各種動画サイトの「推奨環境」には含まれていないので、まあ仕方ないか、と諦めて結局動画はまたスマホで観るようになり、この期間、Chromebookはほぼネサフ専用機になった。

 

※ 現在はFlash自体が世界から消えた(?)ためか、各種動画サイトの動画もChromebookで何の問題もなく観れている(私の知る限りでは)。どんな界隈にも過渡期はあるという話だったのか 

※ その後思いがけず「Chromecast」という便利道具を手に入れ、動画はスマホからテレビの画面に送って観るようになった。けれどもなかにはChromecast非対応という動画もあるので(民放ドラマの見逃し配信など)、そんな動画は「Chromebookで全画面表示で再生しながら音声と画面をテレビにcastして観る」という荒業を使っている。Chromecastもとても便利

 

1文字目消える期 (2016年ごろ?)

日本語で文字入力して確定すると1文字目が消える(しかもctrl+zしても戻らない)という謎のバグが発生していた時期。文章が誤字脱字だらけになるので、Chromebookからツイッターでつぶやくことすら億劫になってしまった。

OSのアップデートにより今はもう解消されているようですが、当時はこれがあまりに煩わしくて、結局1年近くChromebookに触らなくなってしまったほどでした。

 

選択した文字列消える期 (時期不明)

文字列をコピペとかしようとしてshift+矢印キーで選択すると、選択した文字が消える(しかもctrl+zしても戻らない)というバグが発生していた時期。

これは本当に恐怖すぎて、以降shift矢印で選択をすること自体を辞めてしまったので、いつ直ったのかは不明。

いま試しにやってみたけど全然消える様子がないので、どこかのアプデで直っていたようです。有難い。でもまだちょっと怖いので、長文を選択するときとかは気をつけてしまう。あれは本当に恐ろしいバグだった。

 

「わ」入力できない期 (2019年5〜6月ごろ)

これは、上記3つのような問題も解決して、長らく快適なChromebookライフを送っていた、つい最近になって突如降りかかってきた不具合。

かな入力時に「わ」が入力できない、というか「わ」と入力しようとすると強制的に「を」になるというバグ。shiftキー押しても離してても関係なく「を」になってしまうという。

このときはできる限り文章中に「わ」を登場させないよう表現を工夫してみたり、「私」と入力したい場合は一度「私物(しぶつ)」などと入力してから「物」だけを消してみたり、どうしても「わ」が必要なときはコピペで対応してみたりして対処していた。

正直「Chromebookユーザー」かつ「かな入力ユーザー」なんて人口少なすぎて改修は後回しにされそうだなと思っていたのですが(ごめんなさい)、その後数回のOSアプデで無事直してもらえました。有難い。

思い返すと笑ってしまうようなバグだったな(1文字目が消えるバグよりはよっぽど気楽だった)。

 

現在

こうして振り返ってみると不具合とかの思い出ばかりのようだけれども、逆にいうと4年間も使っていて不満だったことがこの程度しかなかったということはChromebook、凄く私と相性がよいのでは?と思う(慣れもあるとは思うけれども)。

 

Chromebook、好きなところ

起動が爆速、というようなことをよくウリにされている印象があるが、個人的には起動の速さよりも、OSアプデの速さが最高だなと思っている。

アプデの通知が来たら、よきタイミングで再起動するだけ。なんなら数秒で終わる。OSアプデの爆速さは完全にスマホにも勝る。これのおかげで、結果多少バグとかが含まれていたとしてもアプデが全然億劫じゃない。

OSアプデを何十分も何時間も待たなくていいのは意外とかなり嬉しくてポイントが高い。使いたいときに使えない、ということがまったく起こらないのが素晴らしいと思う。

 

「なんでもかんでもクラウド上で完結できる」ということから派生する便利さ――たとえば、データ保存し忘れて全部消えたみたいなことがなくなるとか、端末初期化が圧倒的にしやすいとか、最悪端末が突然壊れて機種変しても同じ環境そのまんま引き継げるとか――というのは別にChromebookじゃなくても、自分がクラウドを軸に環境を整えてさえいれば端末やOSに依らずに得られるものだと思うけど、それでも、愛機のサポート期限が来てしまった今、次のパソコンもChromebookがいいと思うからには、私にはChromebookが合っているのだろうなと思う。

セキュリティ気にしなくていい、1日じゅうACアダプター繋がなくていい、OSアプデ待たなくていい、さしてスペックなどに興味がなく安価なものを選んでもサポート期限まで毎日サクサクブラウジング快適にできる、そしてノートパソコン並みの画面サイズと日本語の物理キーボードを備えている、これら全ての条件を満たす端末となると、今のところChromebookしか思いつかない。

とか言ってて私が他のそういう端末知らないだけだったらどうしよう。でも少なくとも今の私はChromebookしか知らないので、C300Mの次もやっぱりChromebookを買います。

 

Chromebook、ちょっと残念なところ

C300Mを扱っていて、ひとつふたつ最後まで不満だったことは、「終了の度に輝度の設定がリセットされて毎回かなりの明るさで起動するところ」と、「たたんだ状態からディスプレイ側を開けただけで起動してしまう(所謂オープンパワーオンがデフォになっていて変更できない)ところ」。

個人的に眩しいのが苦手なのと、パソコンを起動する前には毎回キーボードやトラックパッドを除菌シートで拭きたい(微潔癖な)ので、上記のような仕様だと、

ディスプレイ側開く→起動してしまう→一旦終了する→キーボードとか拭く→改めて電源ボタンで起動する→輝度下げるボタン連打

という工程を毎回経なければならなくて、これだけは(自分でも譲れない点なだけに)結構面倒。これがC300M特有の仕様なのか、Chromebookはみんなこうなのかがよく解らないが、できれば2台目はこういう仕様でなければ嬉しいなあとは思う。

 

今、2台目の到着を待っている

実は既に2台目は、先日某所で注文してしまった。

2台目にどんな機種を選んだか、そこに至るまでにも結構色々悩んだので、その辺については今度は2台目のChromebookで、またこんな風に書き残せたらいいなと思っている。

今は2台目の到着を待ちながら、C300Mにもうちょっと頑張ってもらっているところである(自動更新有効期限が切れても、しばらくは手動でOS更新可能らしい)。果たしてこの文章がC300Mで書く最後の文章になるのか。